体内にたくさんの水が必要な理由

水は肉体のもとになっているばかりでなく体の中で多種多様な役割をこなしています。それは大きく分けて。

“溶媒”“運搬”。体温調節”の3つに分類されます。溶媒というのは、水がいろいろな物質を溶かし込んで、体に吸収しやすくする機能のことをいいます。人間は食事をすると消化液を分泌して食物を溶かし、栄養素を吸収し、便の形にして排泄しますが、この分泌、吸収、排泄のすべてが水の溶媒としての機能を利用したものです。

また、水はナトリウムやカルシウムなどのミネラルを溶かすことで体に吸収しやすい形に変え、体内のペー(Iや浸透圧などのバランスを一定に保つ役割も果たします。運搬というのは、主に血液によって栄養素や酸素を細胞ひとつひとつに運び、反対に老廃物や二酸化炭素を運び出す機能のことをいいます。体内の水が足りなくなると、血液の濃度が高まり流れが悪くなって運搬機能が十分に果たせなくなり、細胞がどんどん死んでいってしまうのです。

そして体温調節ですが、これはもちろん、人間の体温を一定に保つ働きです。私たちはよく汗をかきますが、この発汗という生理作用も、じつは水が蒸発する時に多くの熱を奪うという性質を利用した、非常に効率のいい体温調節法なのです。

人間は1日に少なくともO・5リットル程度の汗をかいています。夏の暑い日やスポーツをしている時などは数時間のうちに、何リットルもの汗をかくこともあります。

これは気温の上昇や運動による発熱によって上がった体温を下げるためです。もし人間が発汗しなかったら、ただじっとしているだけでも、体内の温度は軽く40度を超え、すぐに生命の危機に陥ってしまうといわれています。

これだけ多様な機能を果たしている水ですから、体内に数十リットルも貯えられていてもまだ足りないくらいなのです。ですから反対に体内の水がほんのちょっと不足しただけでも、人間はさまざまな機能不全を起こしてしまいます。

サウナでがんばって汗をかいたって減る体重はせいぜい1?2キロ。いったい残りの水はどこにあるのでしょうか。じつは、体内の水の大部分は、細胞の中に貯えられているのです。30リットルの水のうち22リットルほどは数十兆個もある細胞ひとつひとつの薄い膜の中に小分けにされ、封じ込められています。

これを〈細胞内液〉と呼びます。そして残りの約8リットルの水が、血液やリンパ液などの体液です。こちらは細胞の膜の外側にある水ですから〈細胞外液〉と呼ばれています。それでは逆に、60パーセントの水以外、残りの40パーセントは何かといえば、これはタンパク質や脂肪、ミネラルといった、体の組織のもとになる物質です。人間の体内では、こうしたさまざまな物質と水とが混ざり合って、筋肉や皮膚などを構成しています。

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